技術用語集

反発弾性率 ・引張強度 ・比熱 ・フィラー ・複素剪断弾性率 ・放熱伝熱 ・放熱シートの必要性 ・防振 ・防振の原理
防振するための具体的な方法 ・ブチルゴム ・ブタジエンゴム ・フッ素ゴム

反発弾性率

反発弾性率とは物体の衝突時に、材料が吸収するエネルギーを表す指標であり、所定質量・高さの落下物を試験片に衝突させる際に、衝突時,跳返り時に物体が持っているエネルギーの比のことです。
反発弾性率の測定方法はJIS K 6255で規格化されており、振子を用いて落下及び反発の高さから値を算出するリュプケ式反発弾性試験と固体円盤を用いて落下及び反発の角度から値を算出するトリプソ式反発弾性試験があります。
荷重Wがh1の高さから落下し、試験片に衝突してh2の高さに跳ね返ったとするとゴム材料に吸収されたエネルギーE及び反発弾性率R(%)は次式で表されます。

これらの式から、落下及び反発高さを測定すれば反発弾性率を算出できます。
R=0(%)で落下物は反発することなく静止し、R=100(%)では落下位置と同じ位置まで跳ね返ってくることを表します。また、(100-R)%はゴムの内部摩擦によって熱エネルギーに変換されます。一般的なゴム材料の反発弾性率は温度の影響を著しく受けますが、弊社ゲルは温度による影響が少なく、さらに高ダンピングであるという特長を併せもっています。

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引張強度

引張強度とはゴム材料を引張ったとき、破断するまでに要した力によって求められる機械的強度のことです。試験方法はJIS K 6251に準拠し、試験片を一定速度の荷重で引張り、破断する際に要した力を断面積で割り、破断応力を求めます。ダンベル状試験片とリング状試験片による試験方法があり、弊社はダンベル状試験片による試験方法を採用しています。引張強度は次式で表せます。

TB:(MPa)
FB:最大引張力(N)
A :試験片の断面積(mm²)

この値が大きいほど破断しにくく、機械的強度があるといえます。

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比熱

比熱とは1(kg)の物質の温度を1(℃)だけ上昇させるのに必要な熱量のことをいい、単位は(J/kg・℃) or (J/kg・K)で表します。つまり、比熱が大きいということは、温度上昇に必要な熱量が大きいということになりますので、比熱が大きい物質ほど温まりにくく冷めにくいということになります。

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フィラー

フィラーとは、ゴムやプラスチック、塗料などに機能の向上などを目的として加えられる個体の添加物です。埴料ともいいます。フィラーを添加することで得られる機能としては機械的強度の向上、導電性、熱伝導性、電磁波遮蔽性、熱膨張率の調整、耐候性、着色などがさまざま。コストを下げる目的で安価なフィラーを加えることもあります。フィラーの形状は主に球状、粒子状ですが、ファイバー、フレーク、中空粒子などもあります。
例えばタイヤが黒いのはカーボンブラックがフィラーとして配合されているからですが、カーボンが配合されていることでゴムの強度、耐摩耗性、紫外線への耐性が大幅に向上しています。さらに、1990年代になってシリカをタイヤに加えることで転がり抵抗の低さと、ウェットグリップ性能を両立したエコタイヤが登場しました。

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複素剪断弾性率

復素剪断弾性率は材料の硬度を表し、正弦的に変化する力を加えた(動的)時に求められる弾性率で、防振材設計,緩衝材設計の元になる値です。
圧縮方向の動的な弾性率をE*(復素圧縮弾性率)で表し、剪断方向の動的な弾性率をG*(復素剪断弾性率)で表します。
E*とG*の関係は以下の通りになります。

3G*=E*

G*はG'(貯蔵剪断弾性率)とG"(損失剪断弾性率)に分解でき、G'は材料の持つバネ(弾性体)成分で、G"は液体(粘性体)の成分を示しています。 これらの値は動的粘弾性測定装置で求められ、

となります。

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放熱伝熱

電磁波による熱エネルギ-の放出です。

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放熱シートの必要性

放熱シートがない状態でも発熱体から放熱フィンに熱は伝わっていきますが、硬い面同士の接触であるためミクロ的には点で接触している状態で、断熱材料である空気層が存在してしまいます。
この非常に狭い隙間を高熱伝導材料で埋めることにより、伝導伝熱の効率を高めるものが放熱シートです。

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防振

振動の伝達を防止することであり、具体的には機械から発生する振動をできるだけ外部に伝えないようにすること、またその反対に外部の振動を機械に伝えないようにすることです。
機械を保護する目的や、振動の影響を他の場所に伝えないために行われます。

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防振の原理

振動の伝達は下図のような関係があり、防振としては振動絶縁振動減衰の二つがあります。

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防振するための具体的な方法

対象となる装置と基礎の間に、金属バネ、防振ゴム、空気バネなどを設置することで防振が可能となります。
防振を考えた場合、ある周波数のみの振動が問題であり、尚かつある程度高周波の振動であれば、簡単に防振できます。
しかし、一般的に振動はいろいろな周波数の振動が重なり合い、低周波~高周波まで広範囲な周波数成分が含まれています。
これを防振する場合、防振材と上に乗る装置の共振周波数をなるべく低くし、高周波側のカットできる周波数領域をなるべく広くする方法があります。
この方法では金属バネ,空気バネは非常に適した防振材ですが、両方とも減衰機能を持っていないため、別に減衰機構を付加する必要があり、空間が必要、価格が高くなるなどの問題があります。
防振ゴムは材料そのものが内部減衰を持っており、形状が簡単で小型化が可能なこと、3方向のバネとして機能することなどの特徴があります。反面、共振点を下げることが難しい、ヘタリが発生する、温度によって特性が変化するといった、耐熱・耐寒性などの問題があります。

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ブチルゴム

ブチルゴムは主成分がイソブテン(イソブチレン)からなる非常にユニークなゴムです。

図

-100C近くの低温で塩化アルミニウムなどを用いてイソブテンをカチオン重合して作られます。通常は少量(5%以下)のイソプレンを共重合させることによって二重結合を導入し、加硫(架橋)を可能にしています。

ASTM(アメリカ材料試験協会)による略号はIIR。

図

工業的にカチオン重合が用いられることはほとんどありません。
ブチルゴムの最大の特徴は、窒素や酸素などの気体の透過性が汎用のゴムの1/10以下、ときわめて低いことです。この性質によってタイヤのチューブ、インナーライナーなどの用途には欠かせません。
また、通常のゴムは衝撃を与えるとよく弾みますが、ブチルゴムは反発性が少なく、代わりに優れた衝撃吸収性を持ちます。このため、振動防止用途に使われています。
また、主鎖に二重結合がないことから、化学的に安定で、オゾンや紫外線に対しても良好な耐久性を示します。
ブチルゴムの弱点としては金属との接着が弱いことがあげられますが、これを改良するためにハロゲン化した塩素化ブチルゴム(CIIR)と臭素化ブチルゴム(BIIR)があります。

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ブタジエンゴム

ブタジエンゴム

1,3-ブタジエンの溶液重合または乳化重合により作られるゴムです。略号はBR。
合成ゴムとしてはSBRに次ぐ生産量があります。
溶液重合法では、ニッケル、コバルト、チタンなど遷移金属触媒を用いた、シス1,4構造が94%以上を占める高シスタイプと、アルキルリチウム触媒を用いたシス1,4構造が52%以下の低シスタイプに分かれます。
ブタジエンゴムの特徴は耐摩耗性が優れていること、低温での柔軟性が優れていることです。高シスタイプのブタジエンゴムは一般的なゴムとしてはガラス転移温度が最も低く、-100℃近くにもなると言われています。
反発弾性が高いのでゴルフボールなどにも使われています。ブレンド性が良いのでSBRや天然ゴムと混合して使われることが多いのも特徴です。

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フッ素ゴム

フッ素ゴム

強固な炭素-フッ素結合を分子内に持つゴムであり、フッ素の効果によって圧倒的な耐薬品性、耐油性、耐熱性、耐候性、耐オゾン性を示します。
フッ素ゴムとしては大きく分けて市場の約8割を占めるフッ化ビニリデン系(FKM)、テトラフルオロエチレン-プロピレン系(FEPM)、完全にフッ素化されているテトラフルオロエチレン-パーフルオロビニルエーテル系(FFKM)があげられます。
フッ素ゴムはその耐熱性、耐薬品性から自動車関連のほか、航空機産業、化学プラントや半導体関連機器でも広く用いられています。製品としてはOリングやパッキング、ガスケットが代表的なものです。難点としては価格が比較的高く、やや耐寒性が悪いことがあげられます。
フッ化ビニリデン系のFKMはフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの二元共重合体またはフッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン-テトラフルオロプロピレンの三元共重合体。商品名としてはデュポンのバイトンが特に著名です。
テトラフルオロエチレン-プロピレンの共重合体であるFEPMは旭硝子によってアフラスという商品名で市販されています。
FFKMはテトラフルオロエチレン-パーフルオロメチルビニルエーテルゴムの共重合体で、すべての炭素がフッ素化されていることから高温、化学薬品の存在下でも劣化することなく使用できます。市販品としてはデュポンのカルレッツなど。