技術用語集

内部減衰 ・難燃性 ・ニトリルゴム ・ニュートン流体・非ニュートン流体 ・熱硬化とUV硬化 ・熱伝導率 ・熱抵抗 ・ニュートンの粘性法則

内部減衰

内部減衰の大きさを表すのに損失係数(tanδ)が使用されています。(用語集「損失係数」参照)

τ:共振時の伝達率(共振倍率)

損失係数が大きいほど防振材の内部減衰は大きくなり、防振材の共振時の伝達率(共振倍率)が低くなります。

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難燃性

難燃性とは素材の燃えにくさのことをいいます。この難燃性の判定には用途により種々の試験方法があります。電気電子機器のプラスチック部品においては、認証基準としてUL94の燃焼試験方法を用いて判定するのが一般的です。この試験は、使用する素材に着火し、その燃え方や発生煙等で燃えにくさを判定します。
ULは米国の民間検査機関であるアンダーライターズ・ラボラトリーズ・インク (Underwriters Laboratories Inc.) が定めた燃焼性の規格です。UL94では、垂直試験と水平試験の2つのグレードがあり、 難燃性のランクは燃えにくい方から、5V,V-0,V-1,V-2,HBに分かれております。弊社では、外資系企業や米国向け輸出関連企業にてUL規格を重要視することを考慮し、特に電気電子機器に用いられる熱伝導シートについてはV-1ランク以上の難燃性を付与できるような製品開発を目指しております。

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ニトリルゴム

アクリロニトリルとブタジエンの共重合体です。ASTM(アメリカ材料試験協会)による略号ではNBR。

図

ブタジエンによってゴム弾性がもたらされ、アクリロニトリルはすぐれた耐溶剤性を与えています。

図

アクリロニトリルが増えると耐油性、耐熱性が向上し、ブタジエンが増えると低温特性が良くなるので、特にこの3つの性質が必要とされるシール材料(オイルパッキング、ガスケット、Oリングなど)でニトリルゴムは利用されています。耐油性があることから手袋の材料としても良く使われており、天然ゴムではないのでラテックスアレルギーを起こしません。
ブタジエンの二重結合に水素を付加させた水素添加ニトリルゴムもあり、耐オゾン性、耐候性、耐油性、耐熱性などが改良されていますが、低温特性はやや低下しています。

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ニュートン流体・非ニュートン流体

せん断応力(ずり応力)がせん断速度(ずり速度)に比例するような流体をニュートン流体といいます。このため、せん断速度とせん断応力との関係をグラフにすると原点を通る直線になります。粘度はせん断応力/せん断速度なので、せん断速度と粘度でプロットすると、粘度はせん断速度に寄らず一定になります。ニュートン流体に近い物質としては水、アルコール、油、はちみつなどがあります。

図

非ニュートン流体はニュートン流体の挙動から外れてくる性質をもつものの総称です。
ポリマーなどの巨大分子の溶液、固体粒子の懸濁液などのほとんどは非ニュートン流体の性質を示します。
擬塑性流体:せん断速度が大きいと粘度が低くなり、流れやすくなるもので、ケチャップやマヨネーズがこの例です。 ダイラタント流体:せん断速度が大きいと粘度が高くなり、流れにくくなるものです。水と片栗粉のようなデンプンからなる分散液がこの性質を示します。
ビンガム流体:最初にある程度の力を与えないと動き出さず、動き出すとほぼニュートン流体のように一定の粘度になるもの。マーガリンは自然に流れることはありませんが、ナイフでパンに塗りひろげることができます。

図

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熱硬化とUV硬化

塗料やインキなど、液体の高分子やその溶液を塗布して硬い膜を作る場合に、熱で乾燥して架橋・硬化させる方法(熱硬化)と紫外線(UV、可視光よりも波長が短くエネルギーが大きいので化学反応を起こしやすい)を当てて硬化・架橋反応を起こす方法(UV硬化)に大別されます。
UV硬化の利点としては
・紫外線を当てない限り安定しているので、使用期限(ポットライフ)の問題がない。
・短期間で硬化するので作業時間が短縮でき、基板などに与えるダメージが小さくできる。
・小さなUV照射装置があれば良く、加熱乾燥炉が不要。
・有機溶媒を含まないタイプが多いため、作業が安全で環境への影響が小さい。
などが挙げられます。一方、短所としては
・厚くて着色した膜は内部まで紫外線が入りにくい。
・ラジカル重合タイプは酸素で、カチオン重合タイプは水によって重合が阻害される。
などがあります。
日本の伝統的な塗料である漆(うるし)は乾燥とともに架橋反応が進むため、熱硬化型の塗料です。熱硬化の塗料に似ていますが、溶媒に溶かしたポリマー塗料・乾燥して硬化反応を起こさずに硬い皮膜を作るものは「ラッカー塗料」と言います。

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熱伝導率

熱伝導率は物質に固有の物理量で、熱の伝わりやすさを表します。単位はW/mK。またその逆数を熱抵抗率と呼びます。
伝導によって伝わる熱量は二つの物体の温度差が大きく、距離が近く、そして接触面積が広いほど大きくなりますが、物質の種類によって流れる熱量は大きく異なります。
金属のような電気の良導体では主に伝導電子によって熱が運ばれ、絶縁体では格子振動(フォノン)が熱伝導の担い手になります。熱伝導には界面の形状も重要で、ガラスのように平滑な表面では手を置くと接触面積が大きくなるので熱が伝わりやすく、冷たく感じますが、木材のように凹凸のある表面では手を置いても接触面積が小さくて熱が伝わりにくく温かみを感じるということが起こります。
代表的な物質の熱伝導率を以下に示します※理科年表 第84冊 物54(410)
(単位: W・m-1・K-1)
ダイヤモンド(C) 1000 - 2000
銀(Ag) 420
銅(Cu) 398
鉄(Fe) 84
水晶(SiO2) 8
ガラス 1
ポリエチレン 0.41
シリコーン(Qゴム) 0.16
木材 0.15 - 0.25
空気 0.0241

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熱抵抗

熱抵抗には、熱伝導抵抗,対流による熱抵抗,放射による熱抵抗,接触熱抵抗など様々な種類がありますが、放熱材の評価や放熱試験によく使われるのはこれらのうちの熱伝導抵抗で、これを単に熱抵抗と呼びます。
熱抵抗とは、物体に熱を与えた時におこる熱移動において、熱の流れにくさを表す係数で、単位は(K/W) or (℃/W)で表します。図Bのように放熱材をCPUなどの発熱体とヒートシンクなどの放熱体に挟んだとき、発熱体に電力(W)すなわち熱量を与えると、放熱材の両端(発熱体側と放熱体側)で温度差が生じます。この温度差を電力で割った値が熱抵抗になります。
つまり

熱抵抗 (℃/W) =温度差 (℃) ÷熱源の熱量 (W)

となります。 放熱材の両端で温度差が小さいほどよく熱を伝えていることになりますので、放熱効果は高いといえます。つまり放熱材としては熱抵抗が小さいものが望まれます。 熱抵抗は物質固有の値(物性値)ではありませんので、同じ材料でも使用環境,使用条件によって値が異なります。つまり、熱抵抗といった場合には、放熱材料のセッティングの状態,材料の熱伝導率,材料厚み,材料面積等の様々な条件を総合した放熱特性を表す値といえます。

図B

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ニュートンの粘性法則

水、サラダ油、はちみつなど、液体の内部でスプーンなどの物を動かそうとすると抵抗が感じられます。これは液体を構成する分子同士がたがいに引き合っていて、形を変えようとする動きに抵抗するからです。動きに対して抵抗しようとする性質を粘性、抵抗の度合いを数値で表したものを粘度、または粘性係数といいます。

図のように間隔hをあけて置かれた平行平板の間に粘性のある物質を入れ、下の板を固定して上の板を速度Uで動かすと、粘性のある物質はこの動きに抵抗します。
単位面積当たりに粘性物質と板の間に働く力をτとすると、適当な定数μ(またはη)を取ると
τ=μ×U/h
となります。ここで物質に特有な定数μ(またはη)を粘度、粘性定数と呼びます。
抵抗する力が速度Uに比例し、平板間距離hの逆数に比例するという関係を「ニュートンの粘性法則」といい、この法則に従う流体のことを「ニュートン流体」といいます。上の図では、上の板が速度Uで動き、下の板が固定されているため、U/hは速度勾配になります。
空気や水などはニュートン流体の一種ですが、たとえば粒子が分散した液体などではこの法則から外れてくるものも多く、それらを総称して非ニュートン流体と呼びます。非ニュートン流体では速度によって粘性係数が変化します。