技術用語集

G(ジー) ・実際の防振効果の評価方法 ・衝撃及び衝撃吸収(緩衝) ・衝撃力 ・シリコンとシリコーン ・振動減衰 ・振動数比=f/f0
振動絶縁針入度 ・優れた放熱シートとは ・絶縁破壊の強さ ・損失係数(tanδ) ・スチレンブタジエンゴム ・線膨張係数

G(ジー)

Gとは加速度の大きさを表す方法で、1Gが地球の重力加速度(9.8m/s²)にあたります。従って~Gといえば、地球の重力加速度の何倍かを表しています。
例えば
加速度200(m/s²)は、200(m/s²)÷9.8(m/s²)=約20Gとなります。
衝撃でいうG値は、衝突時に物体に加わる最大の衝撃加速度を表したものです。
尚、GはSI単位ではありません。

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実際の防振効果の評価方法

実際に稼働している装置は、防振材設置前と設置後の振動を実測することで判断できます。
また、小型装置の防振材設置後の防振効果予測や防振材の設計,作製においては、防振材に振動発生機で振動を加え、防振特性を測定します。
尚、測定に関するご相談も承ります。

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衝撃及び衝撃吸収(緩衝)

衝撃とは、停止していたものが急速に動いたり、運動していたものが急停止するなどした時の速度の変化(加速度)のことをいいます。
衝撃吸収(緩衝)は、この衝撃力を低く抑えることを指します。

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衝撃力

最大衝撃加速度のG値に衝突する物体の質量(kg)を掛けたものです。
単位はN(ニュートン)になります。

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シリコンとシリコーン

シリコン(silicon)はケイ素、原子番号14番の元素(Si)で、高純度のものは半導体材料として非常に重要です。
ケイ素は地球上では非常に豊富な元素で、主に酸素との化合物である二酸化ケイ素(シリカ、SiO2)として存在します。
シリコーン(silicone、最後にeがつく)は元素であるケイ素(silicon)とは全くことなり、3のような構造を持つポリマーです。
研究社新英和中辞典によればシリコン(silicon)の発音は sílɪk(ə)n。一方、シリコーン(Silicone)の発音は síləkòʊn。
シリコーン(Silicone)の命名は19世紀末から20世紀前半にかけてケイ素化学の基礎を作った英国のキッピング(Frederic Stanley Kipping 1863-1949)によります。 キッピングは有機化合物のケトン(ketone、1)に対応するケイ素化合物(2)を作ることを目標とし、これを(Silicoketoneを縮めて)siliconeと呼びました。

図

ところが実際には、何度試みても目指す2はできず、3のような化合物ができてしまうため、キッピングが生成したオイル状の3を失意のうちに捨てていたと言われています。
その後米国で、有機ケイ素化合物の大量生産の方法が確立し、第二次世界大戦がはじまって高性能のゴムや樹脂が必要になったこともあり、優れた性質を持つ3の構造のシリコーンポリマーは急速に発展しました。
シリコーンは、オイル、ゲル、ゴム、樹脂状などさまざまな形状、性質のものがあり、潤滑油、シーリング剤、食器などさまざまな用途に使われています。シリコーンポリマーは耐寒性、耐熱性、耐候性、絶縁性、緩衝性、生体への安全性など優れた性質を持ちます。

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振動減衰

振動減衰とは振動エネルギーを熱などに変換し、振動を抑制することです。
固有振動数と装置の振動が一致した場合、装置の振動が増幅されてしまいます(共振現象)。
この周波数を共振周波数(共振周波数≒固有振動数)と呼びます。
振動減衰がないと振動伝達率が無限大になってしまいます。
振動減衰が大きいほど共振時の振動伝達率(共振倍率)は低くできますが、反面高周波側の振動絶縁性が悪くなります。

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振動数比=f/f0

f:基礎の振動数
f0:固有振動数

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振動絶縁

振動数比が√2(約1.4)以上では、振動伝達率が1以下となります。
この状態が振動絶縁であり、外部から入力した振動が防振材により反射されるために振動伝達率が低くなります。

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針入度

針入度試験とは、材料の硬さを測定する方法の1つです。
試験方法はJIS K2207に規格化されており、規定重量の針を試料中に垂直に貫入させ、その深さにより試料の硬さを表します。針入度の値は、1/10mmが針入度1になります。
数字が大きいほど柔らかい材料となります。

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優れた放熱シートとは

1.熱伝導率の高いもの
 熱を大量に使える
2.シ-ト表面が柔軟で熱源やヒ-トシンクの凹凸を吸収できるもの。
 隙間の空気層をふさぐ。
3.可能な限り薄くできて熱の移動の抵抗とならない事。

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絶縁破壊の強さ

絶縁破壊とは、絶縁体にかかる電圧がある限度以上になった時に、絶縁体が電気的に破壊し絶縁性を失って電流を流すようになる現象のことをいいます。この時の電圧を絶縁破壊電圧といい、絶縁破壊電圧を材料厚みで割った値を絶縁破壊の強さといいます。単位は(kV/mm)で表し、物質固有の値ですが、材料中に気泡が混入した時や、材料が吸湿した場合には値が低くなります。絶縁体としては、絶縁破壊の位が大きいものが望まれます。

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損失係数(tanδ)

貯蔵剪断弾性率(G’)と損失剪断弾性率(G”)の比、G”/G’を損失正接(損失係数)と呼び、tanδであらわし、材料が変形する際に材料がどのくらいエネルギーを吸収するか(熱に変わる)を示しています。
測定は動的粘弾性測定装置で行います。
tan δの値が大きいほどエネルギーを吸収し、衝撃緩衝試験では反発弾性率が小さくなり、加振試験においては共振倍率が低くなります。

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スチレンブタジエンゴム

図

スチレン・ブタジエンゴム(SBR)
スチレンとブタジエンを原料とし、合成ゴム全体の80%をしめる最も生産量が多い合成ゴム。1930年代にドイツで開発され(ブナ-S)、自動車の普及とともに広がりました。
製造方法には乳化重合と溶液重合があります。標準的な乳化重合のSBRはスチレン含有量が23.5%。乳化重合の場合、反応温度によってブタジエンの結合形式の割合が変化しますが、低温で合成すると(コールドラバー)トランス結合が多くなり、現在はこれが主流です。
溶液重合法のSBRは低燃費タイヤの原料となることでも知られています。溶液重合ではランダム共重合体と、熱可塑性エラストマーになるブロック共重合体があります。熱可塑性エラストマーのブロック共重合体の二重結合を水素添加して耐候性を改良したSEBSも広く使われています。
SBRは耐熱性、耐摩耗性、機械的強度に優れ、品質が安定しており、安価で加工しやすいという特徴があります。一方、引き裂き強度、耐寒性、有機溶媒やオゾンへの耐性はやや劣っています。
主な用途としては自動車のタイヤですが、ベルトやホースなどの工業製品全般に大量に使われています。

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線膨張係数

物体の長さが温度上昇によって膨張する割合を表したものです。
英語ではCoefficient of Thermal Expansion(CTE)またはThermal Expansion Coefficient(TEC)。長さが変化する割合を線膨張係数(線膨張率)、体積が変化する割合を体積膨張率と言います。熱膨張率は物質の結合状態と関係があります。このため、たとえば純金属では融点が高いものほど室温付近の熱膨張率が小さいという傾向があります。
熱が伝わりにくいガラスのような物質を部分的に温めると割れることがあります。熱膨張率が異なる物質を貼りあわせた製品を加熱すると、はがれたり、ひび割れたりします。
これらは熱膨張によって熱応力(ストレス)が起こったからです。これを防ぐには熱伝導を上げて温度差を小さくしたり、熱膨張率の近い材料を使ったりするなどの対策が取られます。36%のニッケルを含む鉄合金は磁気ひずみによる体積変化が通常の熱膨張を打ち消すため、室温付近ではほとんど熱膨張しない材料が作れます。また、βユークリプタイトなど、負の熱膨張率(暖めると縮む)を持つ物質を適当な比率で用いることで、熱膨張がきわめて小さい製品(電子レンジのターンテーブルなど)も作られています。
なお、列車の走行時にガタンゴトンという音がするのは、鉄のレール(長さ25mくらい)が夏場に熱膨張してひずむのを吸収するため、レールのつなぎ目に隙間が空けられているからです。しかし近年では200m近いロングレールの採用や、継ぎ目部分の工夫により、走行時の音は小さくなっています。

表 20℃付近における線膨張率 理科年表 平成29年版より